【FP1級試験のコツ】応用編(相続事業承継)
小さいクリスマスツリーを飾ると急にハッスルするのは可愛いのですが、そのままツリーをぶん回し始める娘に閉口しています。こんにちは、rinkoです。
FP1級を受けると決めた後輩から、恒例の嘆きです。今回は「相続に関する相談は受けますけどー、相続の応用編って個人様向けって感じの問題じゃなくてとっつきにくいですー」と愚痴られました。確かに、中小企業のオーナーの事業承継に係るケーススタディが典型ですので、普段法人と関わっていないと触れないジャンルではありますね。
というわけで応用編の第五問は、「相続事業承継分野」です。計算方法が比較的最近改正されているので、今年は典型の問題が出ると思います。筆者は。
非上場株式の相続税上の評価
中小企業のオーナーの事業承継に係るケーススタディが多いと書きました。その中でも、そのオーナーの保有している非上場株式等を「贈与する、もしくは相続が発生することを想定して株価を算定する」という問いが出ることが非常に多いです。別の記事でもお伝えしますが、近年いくつか改正されてますので、このケースが平成30年1月試験で出る可能性は高いでしょう。
これは財務2級(銀行業務検定)でも頻出のテーマです。筆者の勝手な所感ですが、財務2級での出題に比べると、ヒントが多めに感じますね。応用編金融資産運用で触れた損益分岐点計算もだな・・・FPとは、広く全般的な知識を求められるということかもしれませんね。
では株価の算定方式についてお伝えします。類似業種比準価額方式と、純資産価額方式による算定を行い、その比較によって算出する出題が殆どです(実務においては他の方式もありますので、基礎編対策として覚えておくようにすると良いでしょう)。
類似業種比準方式による株価の算定
似た業種の上場株式と、「配当・利益・純資産」の3点を比較して株価を算定する方式です。これ、この問題の山場です。この公式を覚えているかどうかで獲得できる点数が大分違います。
まず公式をご覧ください
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この公式の要素一つ一つを見ていきましょう。
類株(類似業種の株価)
類似業種の株価は以下のうち「最も低い金額」です。
- 課税時期の属する月の平均株価
- 課税時期の属する前月の平均株価
- 課税時期の属する前々月の平均株価
- 前年の平均株価
- 課税時期の属する月以前2年間の平均株価
類似3点セット(配当・利益・純資産の比較)
まず、この3点セットを比較するときには、類似業種の値も評価したい会社の値も「50円で1株とした場合の、架空の株数」をまず算出します。資本金を50円で割った数ですね。これは出題傾向として、本来の発行済株式総数とは異なる数になることが多いです。そして、3点セットである「配当・利益・純資産」は以下の式により比較算出される形になります。
評価会社の配当金 | 評価会社の年利益金 | 評価会社の純資産価額 | ||
_________ | + | _________ | + | __________ |
類似業種の配当金 | 類似業種の年利益金 | 類似業種の純資産価額 |
※全て、「50円で1株とした場合の、架空の株数」における、1株当たりの金額です。
そして、この3点セットの式は「FP1級の中でも唯一」計算式の中でも先に計算を行い、値の四捨五入まで完了させるものとなっています。※ちゃんと問題文中に指示があります。
逆に、他の問題では先に計算を完了させないようにしましょう。
斟酌率
大会社:0.7、中会社:0.6(小会社:0.5)です。固定値ですので最初に公式に突っ込みましょう。
1株資本(1株あたりの資本金の額)
資本金の額から発行済み株式総数を割った額そのままです。先ほどから「1株あたり50円とした場合」でずっと計算してましたので、最後に修正するための数値ですね。
ちなみに、もし出題上本来の株式が1株50円だったとすれば、この数値も50円になり、(50円/50円)で最後は修正なし、ということになります。
純資産価額方式による株価の算定
純資産から株価を算定する方式です。公式は
{そ-(そ-ち)×37%}/発行済株式数
という、割とシンプルなものです。37%という数字は忘れずに覚えておきましょう。
そとちの中身は以下の通りです。
そ:相続税評価額による資産ー負債
ち:帳簿価額による資産ー負債
純資産価額方式の計算をさせる場合は、そとちを計算するための表はちゃんと出てきます。「差額に37%をかけてから引く」という単純なことですが、混同しないように注意しましょう。
相続税評価額の算定
大会社か、中会社(中会社のなかにも大中小あります)かによって、算定方法が異なります。
・・・小会社もありますが、あまり出題されません。
- 大会社:類似業種比準価額、純資産価額のいずれか低い金額
- 中会社:「(類似業種比準価額×一定の割合)+{純資産価額×(1-一定の割合)}」と純資産価額のいずれか低い金額・・・「一定の割合」は中会社の「大中小」によって異なります。
※一定の割合→中会社の大:0.90、中会社の中:0.75、中会社の小:0.6
まあ、大会社の方が計算が少なくて楽なので、問題文に「大会社」と書いてあったらサービス問題だと思ってくださいw
ちなみに確定ではないですが、純資産価額方式の方が高い額になりがちです。中会社の場合は特に、類似業種比準価額の計算、割合を間違えないように注意しましょう。
文章題で出る可能性のある論点
このジャンルの文章題は、税制改正があった場合はそれに伴うもの。そうでなければ非課税や課税特例の要件について問われることが多いです。
「非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度」は、先ほどもお伝えしましたが要チェックだと思いますね。
あとは、土地を保有している方の場合のケーススタディとして、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」が出題されることもあります。
この辺りでしょうか。
まとめ
さて、FP1級シリーズ。今回は応用編の第5問、「相続事業承継分野」についての傾向をいくつかまとめてみました。いかがだったでしょうか。このジャンルは、うまくハマるときちんと点数が取れます。大枠を把握しながら勉強していけば決して怖くはありません。(2018年1月出題)
【FP1級試験のコツ】のまとめページはこちら←興味がございましたら他の記事もご参照くださいませ。
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